オズボーンの雄牛オズボーンの雄牛(オズボーンのおうし、スペイン語: Toro de Osborne)は、雄牛のシルエットを模した、全高14mの黒色の看板。1956年以降にオズボーン・グループによってスペイン全土に設置され、現在はフェリクス・テハーダ家によって管理されている。 歴史オズボーン・グループは1772年、トーマス・オズボーン・マンによってシェリー酒の醸造会社として設立され、現在はシェリー酒を含むワイン(スペインワイン)・蒸留酒・イベリコ豚関連製品・ミネラルウォーターなどを製造している。 1956年、ブランド「ヘレスのブランデー」の広告宣伝のために巨大な雄牛形の看板の設置を開始した[1]。看板は黒一色であり、赤色の文字でブランド名の「Veterano」が書かれ、スペイン全土の主要な道路に沿って設置された。当時の看板は現在よりも小さく、やや異なるデザインだった。道路から150m以内の広告活動を禁じる法律が制定されたため、現在の巨大な看板が設置されるようになった。 1994年には道路脇の広告活動を全面的に禁じる法律が制定され、オズボーンの雄牛も撤去される予定だった。しかし、この時までにオズボーンの雄牛は全国的に有名になっていたため、国民の反応により看板は残されることになった。法律の意図通りオズボーンの雄牛を完全に撤去することを望む活動家もおり、オリジナルの看板にあったブランド名などはすべて塗りつぶされ、完全に黒一色となった。結局裁判所はオズボーンの雄牛の残存を認め、その理由として看板が「風景の一部となり、美的・文化的意義を有している」「雄牛は社会の共有財産となった」ことを挙げた。 今日、「Osborne」という社名が書かれた看板が2か所に存在する。ひとつはアンダルシア州カディス県のヘレス空港であり、もうひとつはオズボーン・グループの本社が置かれているエル・プエルト・デ・サンタ・マリーアである。オズボーンの雄牛はステッカーやキーホルダーなどにも使用されている。 2008年1月にはガリシア州で、スペイン国家のシンボルをガリシア州から排除するために、ガリシア独立主義者によって看板がオレンジ色に塗らかえられた[2]。5月には同様の破壊行為がカタルーニャ州でも起き、バルセロナにあった看板がカタルーニャ独立主義者によって破壊されたが、後にマスケファの住民によって復元された[3]。2011年4月にはバレアレス諸島のマヨルカ島に唯一存在した看板が、独立運動家などによって破壊された[4]。 2014年時点で、スペイン全土に91枚の看板が存在する。やや異なるデザインの看板がメキシコにも存在し、メキシコの看板はいまだに広告宣伝の機能を有している[5]。また、各スポーツ競技のスペイン代表チームや個人のスペイン代表選手を応援する際には、スペイン国旗の中央にオズボーンの雄牛を描いた旗を振ることがある。 自治州別の看板数
ギャラリー
脚注
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