オオトノヂ(歴史的仮名遣:オホトノヂ/現代仮名遣い:オオトノジ、意富斗能地、大戸之道)・オオトノベ(歴史的仮名遣:オホトノべ、大斗乃弁、大戸之部)は、日本神話に登場する神である。オオトマヒコ(大戸摩彦、大苫彦)・オオトマヒメ(大戸摩姫、大苫姫)ともする。
概要
『古事記』では兄を意富斗能地神、妹を大斗乃弁神、『日本書紀』では兄を大戸之道尊、妹を大戸之部尊、『先代旧事本紀』では兄を大苫彦尊、妹を大苫姫尊と表記する。
『古事記』において神世七代の第五代の神々とされ、兄意富斗能地神が男神、妹大斗乃弁神が女神である。
神名は大地が完全に凝固した時を神格化したとする説があり、「地」は男性、「弁」は女性の意味である。「オホト」には諸説あるが、男女の性器と考えられる。なぜならば、神話ではこの二神に続き、まず地面または体が不備なく整った淤母陀流神・阿夜訶志古泥神が現れ、次に出現した伊邪那岐・伊邪那美二神の国生みにより国土(大八嶋国)が誕生する。その際、二神による交合が行われたおり、ここに男女の形態、身体の特徴と交合・出産の可能性を象徴する性器のイメージを見るのが自然だからである[1]。
意富斗能地神の「意富」は「大」で美称、「斗」は「門・戸」で集落の狭い通路、「能」は格助詞、「地」は「父親」で男性の親称と解し、名義は「偉大な門口にいる父親」と考えられる。また大戸乃弁神の「大戸乃」までは意富斗能地神と同じで、「弁」は「女」(め)の転と解し、名義は「偉大な門口の女」と考えられる。
上記の神名から集落の狭い通路には防壁の守護神がいるとされ、それを祀ってきたと考えられる。
名称
書名 |
1組 |
2組 |
3組 |
4組 |
5組 |
6組 |
7組 |
8組 |
9組
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古事記(男神) |
宇比地邇神 |
角杙神 |
意富斗能地神 |
淤母陀流神 |
伊邪那岐神 |
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古事記(妹) |
須比智邇神 |
活杙神 |
大斗乃辧神 |
阿夜訶志古泥神 |
伊邪那美神 |
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日本書紀本書(男神) |
泥土煮尊 |
大戸之道尊(一云大戸之邊。亦云大戸摩彦尊・大富道尊) |
面足尊 |
伊奘諾尊 |
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日本書紀本書(妹) |
沙土煮尊 |
大苫邊尊(大戸摩姫尊・大富邊尊) |
綾惶根尊(吾屋惶根尊・忌橿城尊・青橿城根尊・吾屋橿城尊) |
伊奘冉尊 |
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先代旧事本紀(男神) |
角樴尊(角龍魂尊) |
泥土煮尊(泥土根尊) |
大苫彦尊(大戸之道・大富道・大戸摩彦) |
青橿城根尊(沫蕩尊・面足尊 |
伊弉諾尊 |
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先代旧事本紀(妹) |
活樴尊 |
沙土煮尊(沙土根尊) |
大苫邊尊(大戸之邊・大富邊・大戸摩姫) |
吾屋橿城根尊(惶根尊・蚊鴈姫尊) |
伊弉冉尊 |
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先代旧事本紀 |
天三降尊 |
天合尊(天鏡尊) |
天八百日尊 |
天八十萬魂尊 |
高皇產靈尊(亦名、高魂尊・高木命) |
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天書(男神) |
泥土根(以下、尊の字なし) |
大苫彦 |
面足彦 |
伊弉諾尊(尊の字あり) |
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天書(女神) |
沙土根 |
大苫姫 |
橿城姫 |
伊弉冊尊 |
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天書紀(男神) |
泥土野尊 |
大家宅尊 |
懐寝尊 |
伊弉諾尊 |
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天書紀(女神) |
砂土野尊 |
大衣見尊 |
根心尊 |
伊弉冊尊 |
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上記(男神) |
うイぢにのみこと |
つぬぐイのみこと |
おおとのぢのみこと |
おもだるのみこと |
おおとぢのみこと |
あをかしきねのみこと |
あまのかかみのみこと |
あわなぎのみこと |
いざなぎのみこと
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上記(妹) |
すイぢにのみこと |
いくぐイのみこと |
おおとのべのみこと |
あやかしこねのみこと |
おおとべのみこと |
あゆかしきねのみこと |
あめのよろづのみこと |
あわなみのみこと |
いざなみのみこと
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宋史日本傳(男神) |
角龔魂尊 |
汲津丹尊 |
面垂見尊 |
國常立尊 |
天鑑尊 |
天萬尊 |
沫名杵尊 |
伊弉諾尊 |
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祀る神社
参考文献
参考図書
出典
関連項目
外部リンク