エスワティニの行政区画

エスワティニの地方行政区分は4地方 (Region) に分けられている[1]。地方の下には59の郡(Tinkhundla)がある。

地方

エスワティニの地方

エスワティニにおける地方英語: Region)は、第一級行政区画である。首長は国王が任命し、地方議会の議員は郡から選出される[2]。2005年の新憲法までは地区District)と呼ばれていた。

# 地方 Region 中心都市 面積
(km²)
人口
(2017年国勢調査[3]
1 ホホ地方 Hhohho ムババーネ 3,569 320,651
2 マンジニ地方 Manzini マンジニ 4,070 355,945
3 ルボンボ地方 Lubombo シテキ 5,945 212,531
4 シセルウェニ地方 Shiselweni ンランガーノ 3,779 204,111

独立以前は6地区があった。以下は、1946年国勢調査に記載されている地区である[4]

  1. ブレーマースドルプ(Bremersdorp) - 人口は26,600人。1960年にマンジニへ改名。
  2. Hlatikulu - 人口は64,444人。
  3. マンカイネ英語版(Mankayane) - 人口は28,916人。
  4. ムババーネ(Mbabane) - 人口は22,090人。
  5. ピッグズ・ピーク(Pigg's Peak) - 人口は22,187人。
  6. シテキ(Siteki) - 人口は20,978人。

1963年12月、これまで6つあった地区は4つへ再編され、現在と同じ形となる。この際にマンカイネ地区はマンジニ地区へ、ピッグズ・ピーク地区はホホ地区へ統合された。1980年(またはそれ以前)にシセルウェニ地区の首府がHlatikuluからンランガーノへ変更された。2005年憲法で呼称は地区から地方へと変更された[4]

なお行政とは別に観光振興を目的にした地域(Region)が存在する。数は5つで、各地域がそれぞれ固有のテーマを持っている[5]

スワジ語: Inkhundla、複数:Tinkhundla、ティンクンドラ)は、エスワティニの第二級行政区画である。2018年以降、全土で59郡ある。各地の首長区をまとめたもので、民主的で住民参加型の行政区画とされる。また各郡はエスワティニ議会代議院(下院)議員を1人選出しており、選挙区としての役割を持っている。

郡は1977年にソブーザ2世によって初めて設置された。背景には第二次世界大戦の戦争経済からの復興と、国家の安全および安全保障戦略があるとされる。初めの郡の合計は22郡で、国王に任命された元軍人が統治した。だが郡の会議に参加しない人が多かったため、1979年に40郡へ増やされた。1993年、王子らから成る境界策定委員会の勧告を受け、55郡となった。2005年憲法では役割が拡大し、将来は地方自治体となることが定められた[6]。2018年1月28日、既存の2郡が合併し、新たに5郡が追加された[7]

地方別の郡数[2]
  • ホホ地方:15郡
  • マンジニ地方:18郡
  • ルボンボ地方:11郡
  • シセルウェニ地方:15郡

首長区

首長区スワジ語: Umphakatsi 複数:Imiphakatsi英語: Chiefdom)は、郡の下にある伝統的地方区分である。合計は385(時期不明、おそらく2018年以前[8])。族長や王子らによって管理されている。

地方別の首長区数
  • ホホ地方:97
  • マンジニ地方:101
  • ルボンボ地方:87
  • シセルウェニ地方:100

出典

  1. ^ Eswatini/Administrative divisions”. 中央情報局 (2021年6月8日). 2021年6月11日閲覧。
  2. ^ a b HISTORIC BACKGROUND”. Ministry of Tinkhundla Administration and Development. 2021年6月10日閲覧。
  3. ^ Kingdom of Swaziland”. Citypopulation.de (2018年10月14日). 2021年6月10日閲覧。
  4. ^ a b Regions of Swaziland”. Statoids.com (2015年6月30日). 2021年6月10日閲覧。
  5. ^ Eswatini’s Regions”. thekingdomofeswatini.com (政府公式観光サイト). 2021年6月10日閲覧。
  6. ^ Tinkhundla System of Governance/HISTORICAL BACKGROUND”. エスワティニ政府. 2021年6月10日閲覧。
  7. ^ 4 NEW TINKHUNDLA TO COST E2M YEARLY”. Times.co.sz (2018年1月29日). 2021年6月11日閲覧。
  8. ^ Tinkhundla Centres”. エスワティニ政府. 2021年6月11日閲覧。

関連項目