イモリ科
イモリ科(イモリか、Salamandridae)は、両生綱有尾目に含まれる科。模式属はサラマンドラ属。 分布北アメリカ大陸(アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ)、アフリカ大陸の地中海沿岸、ユーラシア大陸(東アジア、ヨーロッパ)、日本 形態最大種はイベリアトゲイモリで全長30cm。 自己防衛のために皮膚に毒を持つ種が多い。特徴的なものでは、フグ毒と同じテトロドトキシンを持つアカハライモリやカリフォルニアイモリ、筋肉の力で毒を発射(ファイア)するマダラサラマンドラなどがいる。 ヨーロッパに分布する複数の属では繁殖期のオスの背面の皮膚が伸長しヒレ状になることがある。 分類
生態森林、河川、渓流、池沼等に生息する。水に漬かると溺れてしまうような陸棲種もいれば、逆にほぼ陸に上がらない完全水生種、陸棲だが繁殖期になると水棲になる種もいる。 食性は動物食で、昆虫類、節足動物、甲殻類、貝類、ミミズ、両生類の卵や幼生等を食べる。 繁殖形態は卵生で、主に水中で水草や石の下に卵を産みつける。オスがメスに精子の入った包み(精包)を渡し、メスが総排出腔から取りこみ受精する(体内受精)。ファイアサラマンダーは卵管の中で卵を孵化させ幼体になってから体外に放出する(卵胎生)。また繁殖期にオスがメスの目の前で尾を振る繁殖行動を行う種がいるが、アカハライモリでこの繁殖行動の際にオスの尾からソデフリンというフェロモンが分泌されることが判明している。 人間との関係ファイアサラマンダーは火の精霊として象徴とされたり、その毒性が誇張され忌み嫌われたりしてきた。 ペットとして飼育されることもあり有尾目全体から見れば流通量は多い。日本に生息するアカハライモリやシリケンイモリはデパートの屋上などで見かけることもあるが海外での人気も高い。しかしペット用の乱獲や環境による生息地の破壊により生息数は減少しており、先に挙げたヨーロッパに生息する本科の構成種では生息地で厳重に保護されている。 また、発生学の分野ではモデル生物として使われる。ヴァルタ―・フォークトやハンス・シュペーマンの実験がこれを用いて行われたことで有名であるほか、再生能力が高いことから、この分野でも実験材料となる[1]。 2016年、筑波大学の千葉親文准教授らの研究室が、イモリの体が再生する構造を解明したと発表した[2][3][4]。 食用としても利用されるが、少なくとも日本国内、ヨーロッパ圏の人々にとってはゲテモノである[5]。 参考文献
脚注
関連項目 |