1997年時点でDFRCで運用されていた航空機群
アームストロング飛行研究センター (アームストロングひこうけんきゅうセンター、英 : Armstrong Flight Research Center 、AFRC )は、アメリカ合衆国 のエドワーズ空軍基地 内にある、NASA によって運営される航空研究センターである。機関名はテストパイロット としてエドワース空軍基地に所属した後に、アポロ11号 で人類初の月面着陸 を行った、元宇宙飛行士 のニール・アームストロング に因む。この研究センターはXプレーン を始めとする高速飛行の研究、開発で知られる。
旧名は、航空科学者でNASA副長官だったヒュー・ラティマー・ドライデン に因んだドライデン飛行研究センター (Dryden Flight Research Center)であったが、2014年 1月16日 にバラク・オバマ 大統領が現在の名称へと改名する法案に署名し、2014年 3月1日 付けで改称された[ 1] 。この名称変更にあたっては、ドライデン飛行研究センター内の西部航空試験場を「NASA ヒュー・L. ドライデン航空試験場 」(Hugh L. Dryden Aeronautical Test Range)に改名することにし、ドライデンの名も残された[ 2] 。
前身となったのは1947年 9月7日 に公式に設立されたNACA のミューロック飛行試験隊 (Muroc Flight Test Unit、MFTU )であり、1976年 3月26日 にドライデン飛行研究センターへ改名される前にも、1949年 11月14日 に高速飛行研究ステーション (High-Speed Flight Research Station、HSFRS )に、1954年 7月1日 に高速飛行ステーション (High-Speed Flight Station、HSFS )に、上部組織のNASAへの変更を挟んだ1959年 9月27日 に飛行研究センター (Flight Research Center、FRC )に改名されている[ 3] 。
ダグラス D-558-2 スカイロケット
NACAのダグラス D-558-2 スカイロケットは初めてマッハ2.0を突破した航空機である
NASAの前身のNACAはダグラス社製の実験機D-558-2 スカイロケットを運用した。後継は空軍のX-1 (航空機) である。D-558-2はロケットエンジンもしくはジェットエンジンで推進して飛行した。B-29に懸架されて発進した。通常の滑走路からもJATO の補助を利用して離陸した。
M2-F1 リフティングボディ
C-47 輸送機に曳航されるM2-F1(初回飛行時)
M2-F1は、翼に依らずに胴体で揚力を得るというリフティングボディ の概念に基づき、1960年代から70年代にかけてNASAが試作した実験用航空機群の第1号である。1963年、ドライデン飛行研究センターのデール・リード(Dale Reed)率いるチームが機体を完成し、エドワーズ空軍基地において自動車や輸送機に曳航されて空力特性のテストが行われた。この成果はのちのスペースシャトル オービタ の設計にも影響を与えた。
制御された衝撃実演
A remotely piloted ボーイング720 は制御された衝撃実演 で破壊された
制御された衝撃実演はFAA との共同実験で航空機 の新ジェット燃料 による大型航空機における事故での火災による被害を抑える目的で行われた。
ボーイング720 を遠隔操作で墜落させ、着陸時における事故を再現したところ、1時間以上燃焼を続けた。新燃料では被害を抑える事には役立たない事がわかった。
リニア エアロスパイク SR-71 実験機
LASREの試験を行うSR-71
LASRE (航空機) (英語版 ) は、NASAがロッキード・マーチン に委託して開発させた再使用型宇宙往還機 である。リニアエアロスパイクエンジン の研究を元にしている。左半分の縮小型をSR-71 偵察機の背中に乗せてテストを行った。
月面着陸試験機
Satellite image of Dryden and the Edwards compass rose .
月面着陸試験機 (英語版 ) またはLLRVはアポロ計画 時に2機製造され、月面着陸の訓練に用いられた。訓練中の事故で1機が失われたが、パイロットは脱出して無事だった。後期型はLLTV(月面着陸訓練機)と称され3機製造されたが、訓練中2機が事故で失われた。いずれもパイロットは脱出して無事だった。
エンジン推力制御による機体コントロール
航空機の全油圧喪失事故など、通常の舵面制御による機体コントロールができない場合に、エンジン出力を制御することにより機体を操縦、安全に着陸する技術を開発した[ 4] 。
脚注
^ “NASA Honors Astronaut Neil Armstrong with Center Renaming” . NASA. (2014年2月28日). http://www.nasa.gov/press/2014/february/nasa-honors-astronaut-neil-armstrong-with-center-renaming/index.html#.Uxc4zEBSE7M 2014年3月5日 閲覧。
^ “NASA's Dryden Flight Research Center to be Renamed for Neil Armstrong” . NASA. (2014年1月16日). http://www.nasa.gov/centers/dryden/Features/nasa-dryden-to-be-renamed-for-neil-armstrong_1.html 2014年1月26日 閲覧。
^ 『Xの時代―未知の領域に踏み込んだ実験機全機紹介』(文林堂 、2004年 ISBN 978-4893191175 )p88〜97
^ “NASA Dryden Past Projects: Propulsion Controlled Aircraft (PCA) ”. NASA/Dryden Flight Research Center. 2014年12月5日 閲覧。
外部リンク
座標 : 北緯34度57分03秒 西経117度53分11秒 / 北緯34.950712度 西経117.886520度 / 34.950712; -117.886520