地球からはα星とほぼ同じ明るさに見えるが、青白いα星に対してこの星は赤く輝いて見える[14]。質量は太陽の約2.5倍で[9]、恒星進化の最終段階に近づいており、現在は漸近巨星分枝 (AGB) の段階にあると考えられている[6]。将来的には太陽と同様に白色矮星へ進化していくと予測されている[14]。地球との間に存在するガスや塵などによる星間減光の影響によって、地球からは実際の明るさよりも0.06等級暗く見えていると考えられている。2.01等級から2.10等級の範囲でわずかに明るさが変化する変光星である可能性が示されており、変光星である可能性がある恒星が記載されているカタログである New Catalogue of Suspected Variable Stars (NSV) にも「NSV 414」という名称で登録されている[1][5]。
2008年に行われた研究ではアンドロメダ座β星は伴星を持たない単独の恒星であるとされているが[15]、アメリカの天文学者である Jim Kaler は 1,700 au 以上離れた軌道を公転する14等級の伴星を持つとしている[14]。
名称
バイエル符号における学名は Beta Andromedae(略称 β And)。固有名のミラク[2] (Mirach[3][4]) は、古いアラビア語で「ベルト」や「ガードル」を意味する ميزرmīzar の綴りが誤って伝えられたものと考えられている[3]。イライジャー・バリットの著書である Geography of the Heavens には Merach というスペルで表記されている[16]。2016年6月30日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Mirach をアンドロメダ座β星の固有名として正式に承認した[4][17]。
^ abcPaul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 15. ISBN978-1-931559-44-7
^ abMassarotti, Alessandro; Latham, David W.; Stefanik, Robert P.; Fogel, Jeffrey (2008). “Rotational and Radial Velocities for a Sample of 761 HIPPARCOS Giants and the Role of Binarity”. The Astronomical Journal135 (1): 209–231. Bibcode: 2008AJ....135..209M. doi:10.1088/0004-6256/135/1/209.
^ abcdLee, Byeong-Cheol; Do, Hee-Jin; Park, Myeong-Gu; et al. (29 July 2023). "Long-period radial velocity variations of nine M red giants: The detection of sub-stellar companions around HD 6860 and HD 112300". arXiv:2307.15897v1 [astro-ph.EP]。
^Rogers, J. H. (1998). “Origins of the ancient constellations: I. The Mesopotamian traditions”. Journal of the British Astronomical Association108 (1): 9–28. Bibcode: 1998JBAA..108....9R.