アンドモワ
アンドモワ株式会社は、東京都港区に本社を置いていた日本の存在した外食チェーン運営企業。社名は「お客様も働く仲間も、もっとわくわくするようなビジネスを作る」に由来する。 概要完全個室居酒屋と飲食店を「竹取御殿」など多数の店名で370余店を営業していた。宴会を主眼とする個室居酒屋のほか、料理人や芸能人と協業を行っていた。 西洋レストランシステムズ株式会社から買収したファミリーレストランCASAや「やきとり釜飯はん」「京風らーめん 糸ぐるま」なども営業していた。 →「コンパスグループ・ジャパン」および「CASA」も参照
しかし、近年は不採算店舗の撤退による経営赤字が続いていたほか、2020年に発生した新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけ、政府の緊急事態宣言により同年6月5日に全店舗を休業する処置を取った[1][2]。2020年8月期の売上も約98億円にまで低下し、同時に債務超過へ転落[2]。アンドモワは不採算店舗の撤退を進めていたが、一部のビルオーナーが複数の賃料請求訴訟を提訴したり、従業員がSNS上で賃金未払いを暴露するなど、経営難が表面化していた[1][2]。アンドモワは2020年11月26日、事実上の倒産であるとして、労働基準監督署に対し、未払賃金の立替払制度に基づく認定申請を行った[5]。 2021年10月29日までに事業を停止[1][2][6][7]。2022年3月31日に東京地方裁判所へ破産を申請し[8]、同年4月6日に破産手続開始決定を受けた[4]。負債総額は約80億円。債権者の内4892名が元従業員であるという。アンドモワの社長が兼務し、約55億円に及ぶアンドモワへの保証債務を行っていたApeXも、2022年3月31日に大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[9][10]。 未払賃金の立替払制度に関しては、2020年5月26日から2022年5月26日までに退職した従業員が対象となった[5]。2022年11月21日に東京地方裁判所中目黒庁舎で行われた債権者集会において、公租以外の優先的破産債権や一般破産債権の債権者への配当には至らなかった事が説明された[5]。 アンドモワは2023年1月26日に破産手続終結決定を受け[5]、同年1月30日に法人格が消滅した。 沿革
不祥事川中商事時代の事件・事故ノロウイルスによる食中毒事件2011から2014年にかけて、川中商事が経営する飲食店の神奈川県川崎市・兵庫県姫路市・宮城県仙台市の各1店舗で計3件の食中毒事件が発生し、3件ともに該当店舗は3日間の営業停止処分となった。経営体制刷新後、それまでなかったウェブサイトを開設し、店舗の指導体制を整備して指導人材を増強した[13]。
火災事故2012年3月25日午前5時56分に、川中商事が経営する居酒屋「さくらさくら 新小岩店」で火災が発生してまもなく消し止められたものの、消火の過程でビル内に入居するパチンコ店が水浸しとなり、遊技台や設備などが使用不能となった。消火活動により事故の影響を被ったパチンコ店は、約2億4000万円の損害賠償を請求[17]した。同店舗は消火栓の扉が開かない状態であった、と火災後の調査で確認され、消火栓が使用できずに消火遅延の原因になった可能性がある。ビルオーナーは「同店舗の内装工事完了後に内覧した際は問題なかったはずだ」と取材に語ったが、実際は床の段差により消火栓扉が開かない状態であった。 関連会社・人物かつての関連子会社全社ともに、2016年8月にアンドモワを存続会社として吸収合併されて消滅した。
関連人物
脚注
関連項目外部リンク
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