『アンの友達』(Chronicles of Avonlea、アヴォンリー年代記)は、カナダの作家L・M・モンゴメリが1911年に出版した短編集の日本語訳のタイトル。モンゴメリは短編集の出版を希望するボストンのページ社の求めに応じ[1]、短編作品のうち良作を選び、加筆・手直しして1冊の本にまとめられたのが本書である[2]。「良いものは少ないと思う」と1911年1月17日の日記では卑下していたモンゴメリだったが[2]、1936年8月21日の日記には「私は今日、Chronicles of Avonlea の "Old Lady Lloyd" と "Each in his Own Tongue" を読み返して泣いてしまいました。この本が出版されたとき何人かの批評家が "Each in his Own Tongue" は英文学における最も美しいストーリーであると言ったのを思い出しました。今ではこのような作品は書けないと思います」と記している[3]。
各タイトルは村岡花子訳に準拠する(『アンの想い出の日々』のみ、その孫である村岡美枝[9]訳に準拠する)。通常、最初に上げられている9冊の本をアン・ブックスと呼ぶ。アン・ブックスをより狭い範囲に呼ぶ場合もあるが、9冊の本は、アンを主人公とするか準主人公とする「アンの物語」である。これに対し、追加の2冊は短編集で、「アンの物語」と同じ背景設定であるが、大部分の作品はアンとは直接に関係していない。アンが端役として登場したり、その名前が言及される短編もあるが、総じて、題名が示す通り、「アンの周囲の人々の物語」である。
なお、4冊目「アンの幸福」の原題はイギリス版とアメリカ版で異なり、イギリス版ではAnne of Windy Willows、アメリカ版ではAnne of Windy Poplarsで、内容も少し異なる。
^ abMary Rubio, Elizabeth Waterston, Selected Journals of L.M. Montgomery Volume II: 1910-1921, Oxford University Press, 2000, ISBN 978-0195418019, P. 36
^Mary Rubio, Elizabeth Waterston, Selected Journals of L.M. Montgomery Volume V: 1935-1942, Oxford University Press, 2005, ISBN 978-0195422153 , P. 85