アルマンド・グスタフ・"モンド"・デュプランティス (Armand Gustav "Mondo" Duplantis , 1999年 11月10日 - )は、アメリカ合衆国 生まれでスウェーデン の棒高跳 選手。現在の棒高跳世界記録 保持者(屋外:6.26m、室内:6.22m)。15歳の時、2015年世界ユース陸上競技選手権大会 の男子棒高跳で金メダルを獲得。年齢別の世界記録の多くを保持している。2018年のヨーロッパ陸上競技選手権大会 で6.05mの記録(20歳以下の世界新記録)により金メダルを獲得し、2019年の世界陸上 では銀メダルを獲得した。2021年の東京オリンピック では金メダルを獲得した。2022年、オレゴン世界陸上 では屋外世界新記録となる6m21を跳び金メダルを獲得した。
経歴
アスリートの家系に生まれた。ケイジャン の子孫であり[ 2] アメリカ人 の父、グレッグ・デュプランティス (Greg Duplantis) は、元棒高跳び選手であり5.80 mの記録を持つ。スウェーデン人 の母Helena(旧姓Hedlund)は元七種競技 選手とバレーボール 選手である[ 3] 。2人の兄、AndreasとAntoineと妹のJohannaもスポーツをしており、Andreasは2009年世界ユース選手権大会 と2012年世界ジュニア選手権大会 の棒高跳にスウェーデン代表として出場。Antoineは高校で棒高跳びを辞め野球 を始め、ルイジアナ州立大学 でチーム の通算安打記録を更新し、2019年のMLBドラフト でニューヨーク・メッツ から12巡目で指名されマイナーリーグ で外野手 としてプレーしている[ 4] [ 5] [ 6] 。
映像 - YouTube アルマンド・デュプランティスの棒高跳びの成長
アルマンドは、ルイジアナ州 ラファイエット の自宅で3歳の時に初めて棒高跳びを初め、すぐに大会に参加した。最初に7歳での世界記録 を打ち立て、10歳の時に打ち立てた3.86mという記録は当時の11歳と12歳の世界記録を超えていた[ 7] [ 8] 。2015年7月現在、7歳から12歳の全ての歳における世界記録を保持している。2015年5月に破られるまで13歳での記録も保持していた[ 7] [ 9] 。
2015年
2015年、ラファイエット高校 (英語版 ) 1年の時、室内と屋外の両方で国内のフレッシュマン(1年生)記録を樹立し、Gatorade Louisiana Boys Track & Field Athlete of the Year に選出された[ 10] 。米国とスウェーデンの両方の多重国籍 であり、国際的にどちらの国の代表選手として出場するかを選択できたが、2015年 6月にスウェーデンを選択したことが発表された[ 11] [ 12] 。コロンビア のカリ で開催された2015年世界ユース選手権大会 に初めてスウェーデン代表で出場し、1度目の試技で5.30mをクリアランスし、それによるカウントバックで金メダルを獲得した。これにより個人記録を2cm更新し、新たなユース選手権大会の記録を樹立した[ 13] [ 14] 。
2016年
2016年2月6日にルイジアナ州バトンルージュ で行われたhigh school meetで5.49mを跳び、16歳での世界記録、世界室内ユース記録 、国内高校室内記録を樹立した。室内で18フィートを跳んだ最初の高校生であった[ 15] [ 16] 。デュプランティスと同い年でギリシャ のEmmanouil Karalis が、1週間後に5.53mを跳び彼の世界記録を破っている[ 17] 。
2017年
2017年2月11日、Millrose Games において5.75mを跳び、世界室内ジュニア記録 を樹立した[ 18] 。この記録はIAAF により承認された。1か月後、New Balance National Scholastic Championshipsにおいて同じ施設で5.82mに記録を伸ばした。この記録は使用されたペグの長さが正しいものではないため承認されなかった。2017年4月1日、Nike Clyde Littlefield Texas Relaysで5.90mを跳び、個人記録を更新し、新世界ジュニア記録を樹立した。また、この跳躍はスウェーデンのシニア記録を3cm上回った。IAAFはデュプランティスのスウェーデン代表としての記録を認め、同年12月2日、USATF もデュプランティスの記録をアメリカのジュニア記録として承認した[ 19] 。
2018年
米国ネバダ州 のリノ で開催されたPole Vault Summitで5.83mを跳び、再び世界室内ジュニア記録を更新して2018年シーズンをスタートさせた。後にこの室内記録を5.88mまで伸ばし[ 20] 、2018年のヨーロッパ陸上競技選手権大会 で6.05mまで伸ばした。6.05mの記録により歴代5位 の記録保持者となり、屋外では2位タイの記録を保持した[ 21] 。
2019年
ドーハ で行われた2019年世界陸上 において、3度目の試技で5.97mを跳び、2位となった[要出典 ] 。
2020年
2月4日、シーズン最初の大会で室内の6.00mを跳んだ。その後6.17mの世界新記録を3度試技した。2度目にバーをクリアしたが、落ちるときに腕でバーを払い落としてしまった[ 22] 。
2月8日、ポーランド のトルン で6.17mを跳び、ルノー・ラビレニ が約6年前に樹立した世界記録を破った [ 23] 。1週間後の2月15日にグラスゴー で、この記録を1cm伸ばし6.18mとした[ 24] 。
2月19日、6.07mを跳び Meeting Hauts de France Pas de Calais を優勝したが、その後6.19mの世界新記録への挑戦には3度失敗した。数日後の2月23日にフランス のクレルモン=フェラン で行われたAll Star Perche で6.01mを跳び優勝したが、そのシーズン最後の大会において、6.19mの新記録への挑戦は失敗に終わった。7月14日、Swedish Crown Princess Victoriaからスカラーシップを授与された[ 25] 。
9月17日、Rome Golden Gala Pietro Mennea ダイヤモンドリーグ において、2度目の試技で6.15mを跳び、セルゲイ・ブブカ の6.14mの屋外世界記録を更新 した。なお、WA は屋内と屋外の棒高跳びを別々の競技としては認めてはおらず、デュプランティスはすでに2020年2月に6.18mの世界記録を保持している。
2021年
東京オリンピック では6.02mで金メダルを獲得した。
2022年
世界室内陸上競技選手権大会 のリハーサル大会で6.19mの世界新記録、本大会で6.20mと、世界新記録を次々に更新した[ 26] 。
6月30日に開催されたダイヤモンドリーグストックホルム にて、屋外世界記録を記録を1cm更新する6.16mを記録し優勝した。7月24日に開催された世界陸上オレゴン大会 では、屋外世界記録を5cm更新する6.21mを記録し優勝した。
2023年
2月25日、クレルモン=フェランで開催された室内の大会で、6.22mの屋内世界記録 を樹立した。
9月17日、プレフォンテーンクラシック ダイヤモンドリーグファイナルにて、屋外世界記録を2cm更新する6.23mを記録し優勝した。
2024年
8月のパリオリンピックにおいて、6m25の世界新記録 で優勝し、2連覇を果たした[ 27] 。
8月25日のダイヤモンドリーグ (DL)2024年 シレジア 大会男子 棒高跳 において、パリオリンピックで樹立した自身の世界記録を1cm更新する6m26の世界新記録 を打ち立てた[ 28] 。
9月4日、チューリッヒ にて行われたダイヤモンドリーグのエキシビションマッチにおいて、400mハードル 世界記録保持者カールステン・ワーホルム との100m競走 の対決が実現した。両者とも世界記録保持者であるため、多くの注目を集めた。結果は、デュプランティスが10秒37、ワーホルムが10秒47となり、デュプランティスに軍配が上がった[ 29] 。
大会記録
ギャラリー
関連項目
出典
外部リンク