アナトモグラフィー (Anatomography)は、DBCLS が運営する人体 解剖図の作成・表示サービス。インターネットを介して誰でも無料で利用できる。文部科学省 委託研究開発事業として開発された。作成した図譜はクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 2.1 日本 (CC BY-SA 2.1 JP) ライセンスの元で利用可能であり、実際に wikipedia や日本国外の科学番組の挿絵[ 2] などに利用されている。開発者らによると、CC ライセンスでの提供は医学の情報・データ共有の促進を狙ったものであり、このような利用の広がりは期待通りの展開であるとしている[ 3] 。
アナトモグラフィーとは、解剖学 を意味するアナトミー(Anatomy )という言葉と、画法といった意味を持つグラフィー(-graphy )という言葉から作った造語 。
歴史
アナトモグラフィーは、2004年 に独立行政法人情報通信研究機構 らによって公開された数値人体モデルデータベース「TARO」[ 4] [ 5] [ 6] を元に作成されている。TARO はMRI の断面画像をつなぎあわせた2mm*2mm*2mmのボクセル からなる三次元人体地図で、主要約50臓器のデータが含まれている。アナトモグラフィーはこのTAROのデータを元に、サイトで表示されているような高解像度の3Dポリゴンデータを作り上げて行く。作業は三段階に分けて行われている。
第一フェーズ は、TAROのデータを単純に各パーツに分割していく。
第二フェーズ は、TAROのデータは空間分解能が荒いこと(2mm立方)、MRIで映らない臓器があること(例えば動いている心臓など)、直立姿勢では臓器位置が変化すること(寝て撮影したMRIデータは直立時と内臓の位置が変化する)などに対応するため、解剖学のテキスト、模型、種々の統計データ等を参照しながら、細部の構造のモデリング や位置の微妙な補正などを手作業で行っていく。
第三フェーズ は、作り上げたデータを、解剖学的な観点から専門家にチェックしてもらい、正確性を上げる。
2010年4月現在、各臓器について、順次フェーズ1から2へと勧められている状況で、サイトは発展段階にある。順番として内臓、骨、脳部分のデータ化が現状進んでおり、中でも心臓 のモデリングは細かい部分まで進んでいる。皮膚や筋肉データはまだ扱われていない。各パーツについての作業の進捗状況はサイトのページで確認できる[1] 。
開発スタッフ
DBCLS 内開発チーム
大久保公策 (開発責任者):原案、解剖学監修
三橋信孝(専任開発リーダー): 解剖学用語辞書整備、レンダリングサーバ構築、ホームページ作成
藤枝香(専任メディカルアーティスト): 臓器形状データ作成、データ名称付与、臓器関係編集
外部開発分担企業
株式会社エムアイシー(HP ): ラフモデリング、計測データ入力
株式会社ケイズデザインラボ(HP ): 3Dエディター指導、ラフモデリング、計測データ入力
株式会社ビッツ(HP ): アナトモエディタ画面デザインおよび作成
特徴
出来ないこと
姿勢は直立姿勢のみ。関節 を曲げる機能はない。
2010年2月現在、筋肉 と皮膚 のデータは表示できない。
BodyParts3D
BodyParts3D。ダウンロードしたポリゴン データ。使用ソフトBlender 。
サイトで利用している人体のモデルデータは BodyParts3D という名前で無料で公開されている。旧称はポリゴンマン 。2008年7月1日に BodyParts3D という名称に変わった。ライセンスに従えば誰でもダウンロードして再利用できる。ファイル形式はstl とvtk 。
URLでのリンク
アナトモグラフィーで作成した図にURL を通じてリンクすることが出来る。URLを取得するには、図を作成した後、画面左側の「Save」タブから「アナトモグラフィーエディタのURL」または「PNG 画像のURL」を右クリックしURLをコピーする。この機能を使うことで、メールやウェブサイトを通じて図譜へのリンクを貼ることができる。
リンク用URLの形式
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反映 させてください。反映後、このタグは除去してください。
(2010年8月 )
リンク用URLの形式は以下のようになっている。
http://lifesciencedb.jp/ag/edit?locale=jp&tp_ap=08020601:IF09004506000600FFFFFF1NANANANANANANANANANANANA006060%7CFMA50801:FFA500NANANANANANAS020W%7CFMA71325:FFFFFFNANANANANANAS010S
各項は次のようになっている。
http://lifesciencedb.jp/ag アナトモグラフィーのアドレス
edit 編集ページへのリンクである事を示す。これがない場合、画像のみのページにリンクする。
locale=jp 表記を日本語メインとする指示。locale=en とすると英語を中心とした表示となる。
08020601 使われているポリゴンデータのバージョンを表すコード。2008年2月6日公開の第一版。
IF090045 Z軸回りの回転角3桁、X軸回りの回転角3桁、計6桁で表示角度を表す。90度-45度。
06000600 画像の解像度をピクセル単位で指定する。600px-600px。
FFFFFF 画像の背景色をRGBで指定する。これは白色。
バーティカルバー (|)以降は、部品名、色、透明度、表示方法の指定が繰り返される。
画像
脚注
^ a b リリース・ノート ライフサイエンス統合データベースセンター 2010年5月27日閲覧
^ カナダの科学番組「LE CODE CHASTENAY」Emission 48 2010/1/19放送
^ 三橋信孝、藤枝香、今井紫緒、武藤勇、田村卓郎、川本祥子、高木利久、大久保公策 "BodyParts3DとAnatomography: 医学での情報共有を「動機付ける」素材 [リンク切れ ] "
^ 日本人の数値人体モデルDB「TARO」と「HANAKO」公開 2004/11/10 ITmedia 2010年4月10日 閲覧
^ 報道発表:日本人平均成人男女の数値人体モデルデータベース公開のお知らせ 平成16年11月10日 独立行政法人 情報通信研究機構 2010年4月10日 閲覧
^ Nagaoka T, Watanabe S, Sakurai K, Kunieda E, Watanabe S, Taki M, Yamanaka Y. "Development of realistic high-resolution whole-body voxel models of Japanese adult males and females of average height and weight, and application of models to radio-frequency electromagnetic-field dosimetry." Phys Med Biol . 2004 Jan 7;49(1):1-15. PMID 14971769
参考文献
外部リンク
サイト
ビデオ
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