アデロバシレウスAdelobasileus
アデロバシレウス
地質時代
三畳紀 後期
分類
学名
Adelobasileus Lucas & Hunt, 1990
種
アデロバシレウス (Adelobasileus cromptoni )は、現在見つかっているなかで最古の哺乳類 であるといわれる化石種の哺乳類、あるいは哺乳形類 。属名 はギリシャ語の"ἄδῆλος"(よく見えない)+"βασιλεύς"(王)に由来し、凡そ「目立たない王」と訳せる。アメリカ・テキサス州 のチンリ層群 で発見された[ 1] 。繁殖は卵 を産んでいた。
概要
中生代 三畳紀 後期の2億2,500万年前に生息していたと推定されている。それまで最古の哺乳類であった2億1,000万年前のエオゾストロドン より、さらに1,500万年さかのぼることになった。
1989年に糞化石の中から頭骨の一部が発見されている[ 2] 。発見された頭骨は吻 端などが欠損していたが、大きさは長さ1.5センチ、幅も1センチに満たない小さなものであった。推測される体長は10センチから15センチ、現在のトガリネズミ のような外見であったと思われる。この頭骨には祖先となった獣弓類 との類似点も多く認められるが、眼窩 に視神経孔 がある、蝸牛 の付着点である岬角があるなど(哺乳類以外の)獣弓類にはなく、哺乳類のみに見られる特徴がある。生態についてはよく分かっていない部分もあるが、おそらくは夜行性で昆虫を食べていたのであろうと推測される[ 2] 。
脚注
^ 『恐竜vsほ乳類 1億5千万年の戦い ビジュアル版』 18頁
^ a b 『恐竜vsほ乳類 1億5千万年の戦い』 23頁
関連項目
参考文献
NHK「恐竜」プロジェクト(高間大介・植田和貴) 編『恐竜vsほ乳類 1億5千万年の戦い』小林快次 監修、ダイヤモンド社 、2006年、20 - 31頁頁。ISBN 4-478-86054-8 。
NHK「恐竜」プロジェクト(高間大介・植田和貴) 編『恐竜vsほ乳類 1億5千万年の戦い ビジュアル版』小林快次 監修、ダイヤモンド社 、2006年、18頁頁。ISBN 4-478-86053-X 。
Lucas, SG ; Hunt, AP (1990). “The oldest mammal”. New Mexico Journal of Science 30 (1): 41–49.
Lucas, SG; Luo, Z (September 1993). “Adelobasileus from the upper Triassic of west Texas: the oldest mammal”. J. Vert. Paleont 13 (3): 309–334. doi :10.1080/02724634.1993.10011512 .