アジアイトトンボ
アジアイトトンボ(亜細亜糸蜻蛉、Ischnura asiatica)は、イトトンボ科のトンボ。本州では普通に見られる種類である。 分布北海道、本州、四国、九州に分布する。また、佐渡島、淡路島、壱岐、隠岐、対馬、南西諸島などの離島などにも分布する[1]。また、国外では中国・台湾・朝鮮半島などに分布している[2]。 特徴成虫腹長約20〜25mm。後翅長12〜19mm。アオモンイトトンボ属の種類のなかではもっとも小さい[1]。オスは腹部第9節に紋がある[2]。メスは成熟すると、すすけた草色になり、同色型の雌は存在しない[2]。 幼虫体長約12〜15mm、側尾鰓長約4〜7mm。側刺毛は5本の個体が多い。尾鰓の中央部に1本の淡い褐色横条がある[1]。 生態高知県では3月下旬から現れて11月初め頃まで見られ、成虫の出現期は長い。春から初夏に羽化する個体は大きいが、夏の終わり頃に現れるものは著しく小さい(年2回発生と考えられている)[1]。熟したオスは、水辺にもどって配偶行動を行う。交尾は午前中に開始するが、しばしば夕方近い時間帯まで見られる。交尾時間は概して長く、数時間に及ぶことがある。産卵はおおむね、午後にメスが単独で水面近くの植物組織内に行ない、時には水中に潜ることがある[1]。幼虫は主に平地や丘陵地の水生植物が繁茂した池沼や湿地、水田、水路などに生息する[1]。また、水中の植物などにつかまって生活している場合が多く、成虫は幼虫と同様な場所に生息しているが、若い個体は羽化した水辺を離れて、かなり遠方の草原まで移動することがある[1]。 類似種同属のアオモンイトトンボに酷似している[2]。オスは腹部第9節に紋があるが、アオモンイトトンボの場合は第8節にある[2]。メスはアオモンイトトンボと違って同色型のメスは存在しない。ヤゴはアオモンイトトンボの場合、淡褐色ないし緑褐色をした弱々しい感じで、頭は後角が突出しない。尾鰓は細く尖っていて中央文節ははっきりしない[1]。 ギャラリー
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