アクセル・D・ベッケ

アクセル・ベッケ
生誕 (1953-06-10) 1953年6月10日(71歳)
西ドイツの旗 西ドイツバーデン=ヴュルテンベルク州エスリンゲン
国籍 カナダの旗 カナダ
研究分野 計算化学
研究機関 ダルハウジー大学
クイーンズ大学
出身校 クイーンズ大学
マックマスター大学
主な指導学生 エリン・ジョンソン英語版
プロジェクト:人物伝
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アクセル・ディーター・ベッケ(Axel Dieter Becke、1953年6月10日 - )は、ドイツ西ドイツ)出身の物理化学者、カナダダルハウジー大学化学教授である。分子に対する密度汎関数理論(DFT)の応用における指導的研究者である。

教育

西ドイツバーデン=ヴュルテンベルク州エスリンゲンに生まれた。クイーンズ大学に進み、B.Sc.を得た。マックマスター大学M.Sc.Ph.D.を得た[1]

経歴

1981年から1983年まで、ベッケはダルハウジー大学のNSERC英語版博士研究員であった。1980年代にオンタリオ州キングトンにあるクイーンズ大学で初めての教員のポストに付いた。2006年、ダルハウジー大学に移り、計算科学のKillam Chairを務めている[2]

研究

ベッケは、分子軌道計算のための非-LCAOでグリッドベースの数値的手法の開発に貢献した。また、コーン・シャム密度汎関数理論におおける交換-相関汎関数の開発(B88交換汎関数[3]B3LYP交換相関汎関数[4]、B97交換相関汎関数[5][6]等)とベンチマーク調査にも貢献した。ベッケは原子および分子構造の密度汎関数理論に関する引用数の多い論文で知られている。

密度汎関数理論(DFT)は元々は金属固体状態系を記述するために設計された。ベッケは、共同研究者のジョン・パデュー英語版と共に、DFTが分子の構造とエネルギーを記述するための有効なツールとなりうることを示した。ベッケは新たな水準の精度を得ることができる有益な計算技法(NUMOL)を開発した。ベッケの研究は化学と物理学の多くの分野の発展を助け、ベッケの手法は優れた精度で大きく複雑な分子系の分子特性を計算するために使われている。

ベッケは電子局在化関数英語版の理論の開発者である。

受賞歴

その他[9]:

出典

  1. ^ Axel Becke” (英語). Dalhousie University. 2017年1月24日閲覧。
  2. ^ Axel Becke”. 2019年7月15日閲覧。
  3. ^ Becke, A. D. (1988). “Density-functional exchange-energy approximation with correct asymptotic behavior”. Physical Review A 38 (6): 3098–3100. doi:10.1103/PhysRevA.38.3098. 
  4. ^ Becke, Axel D. (1993). “Density‐functional thermochemistry. III. The role of exact exchange”. The Journal of Chemical Physics 98 (7): 5648–5652. doi:10.1063/1.464913. 
  5. ^ Becke, Axel D. (1997). “Density-functional thermochemistry. V. Systematic optimization of exchange-correlation functionals”. The Journal of Chemical Physics 107 (20): 8554–8560. doi:10.1063/1.475007. 
  6. ^ Becke, Axel D. (1998). “A new inhomogeneity parameter in density-functional theory”. The Journal of Chemical Physics 109 (6): 2092–2098. doi:10.1063/1.476722. 
  7. ^ Fellows”. Royal Society. 30 November 2010時点のオリジナルよりアーカイブ12 December 2010閲覧。
  8. ^ Chemist Axel Becke wins $1M Herzberg Medal”. CBC. 22 February 2015閲覧。
  9. ^ Axel Becke”. Dalhousie University. 30 March 2019閲覧。

参考文献

外部リンク