アウディ・A7A7(エーセブン)は、ドイツの自動車メーカーアウディが2010年より製造している5ドアハッチバック型高級乗用車である。 概要2009年の北米国際オートショーにコンセプトカー、「スポーツバックコンセプト」が出品され[1]、その市販版として2010年のモンディアル・ド・ロトモビルにA7スポーツバックとして出品、同年秋に欧州での販売が開始された。また日本国内では2011年5月に3Lスーパーチャージャー付ガソリンエンジン車が発売された。 同社のA6とA8の中間に属するモデルであり、車型は5ドアハッチバック。アウディは4ドアクーペと呼称しており、デザイナー曰く、後部のデザインはアウディのグループ企業であるランボルギーニのミウラが意識されているという[2]。ドアはサッシュレスドアである。 製造はドイツ ネッカーズルム工場においてA6シリーズやA8セダンとともに行われる。 初代(2010年-2018年)
A7 Sportback2010年7月26日、発表[3]。実車は同年9月30日、パリモーターショーにて初公開された[4]。 ガソリンエンジンはスーパーチャージャーを装備した3.0L V型6気筒と同2.8L NAの2種類が用意される。ディーゼルは3.0L V6のみであるが、最高出力245PSと204PSの2仕様が設定される。トランスミッションは四輪駆動車に7速Sトロニックが、FF車にはCVTが組み合わせられる。駆動方式はクワトロシステムが採用された四輪駆動車のほか、2.8Lガソリン車および204 PS仕様のディーゼル車にはFF車も用意される。なお日本にはFF車は導入されず、四輪駆動車で右ハンドルのみとなる。 プラットフォームにはMLBプラットフォームが採用され[5]、C7系A6と共通のスチールモノコック構造が採用されるが、外板の多くはアルミ製となっている[2]。 タイヤにはアウディと横浜ゴムが共同開発した「ADVAN Sport」が採用された。ADVAN Sportの採用はアウディとしてはS6、S8、Q7に次いで4車種目となる[6]。 2014年5月22日、欧州にてマイナーチェンジモデルを発表[7]。3.0L直噴V型6気筒ターボディーゼルが投入され、最高出力は218psと272psが用意された。エクステリアはバンパー、グリル、ヘッドライト、テールランプ、マフラーなどのデザインを変更。また「マトリックスLEDヘッドライト」をオプション設定した。 2014年7月14日、欧州にて「3.0TDI コンペティション」を発表[8]。アウディのディーゼルターボエンジン「TDI」の誕生25周年を記念したモデルで、最高出力326hp(オーバーブーストモードでは346hp)、最大トルク66.3kgmを発揮する3.0LV型6気筒ディーゼルターボを搭載する。 2014年11月19日、ロサンゼルスモーターショーにて燃料電池PHVのコンセプトカー「h-tronクワトロ」を初公開した[9]。 日本での販売2011年5月17日、発表[10]。同日販売が開始された。導入されるのはスーパーチャージャーを装着した3.0L V型6気筒ガソリン直噴エンジンを搭載した「3.0 TFSI」のみで、トランスミッションは7速Sトロニック、駆動方式はクワトロ(4WD)である。 2013年7月23日、一部装備変更[11]。安全性が強化された。 2015年4月7日、マイナーチェンジモデルを同月21日より販売すると発表した[12]。パワートレインは333ps(245kW)を発揮するスーパーチャージャー付き3.0LV型6気筒(TFSI)に加え、252ps(185kW)を発揮する2.0L直列4気筒エンジンを搭載する「2.0 TFSI quattro」を8月より追加する。エクステリアではシングルフレームグリルの角が強調されたほか、ボンネットや前後バンパーの形状も変更された。ヘッドライトにはマトリクスLEDヘッドライトを採用。後席は2人掛けから3人掛けへと変更され、乗車定員が4人から5人に変更された。
S7 Sportback2011年9月13日、フランクフルトモーターショーにて「A7 Sportback」の高性能モデルである「S7 Sportback」を初公開[13]。4.0LV型8気筒ガソリンエンジンを搭載し、専用グリルやバンパー、19インチアルミホイールなどを装備する。 2014年5月22日、欧州にてマイナーチェンジモデルを発表[14]。実車は同年10月2日、パリモーターショーにて初公開[15]。ベースモデル「A7 Sportback」のマイナーチェンジに準じてデザイン等が変更された。 日本での販売2012年7月6日、先行予約受付を開始[16]。同年8月27日、販売開始[17]。 2015年4月7日、マイナーチェンジモデルを同月21日より販売すると発表した[12]。最高出力450psを発揮するツインターボ付き4.0LV型8気筒TFSIエンジンと7速Sトロニックを組み合わる。
2代目(2018年-)
A7 Sportback2017年10月19日、発表[18]。パワートレインは最高出力340hpを発揮する3.0LV型6気筒ガソリンエンジン「TFSI」のみをラインナップする。トランスミッションは7速Sトロニック、駆動方式は4WDのクワトロ。また、48Vマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載し、燃費性能を向上させた[19]。エクステリアはシングルフレームグリルが大型化され、最新のアウディデザインが表現されている[18]。 日本での販売2018年9月5日 - 日本仕様車を発表[19]。9月6日に日本での販売を開始[19]。導入されるのは、3.0LV型6気筒ターボを搭載する「55 TFSI quattro debut package」「55 TFSI quattro S-line」の2種類[20]。また限定車「55 TFSI quattro 1st edition」「55 TFSI quattro S-line 1st edition」を計250台で販売する。 2020年1月22日、2.0L直列4気筒ガソリンターボと7速Sトロニックを組み合わせる「45 TFSI quattro」を追加[21]。12Vマイルドハイブリッドシステムを搭載している。 2020年4月2日、2.0L直列4気筒ディーゼルターボと7速Sトロニックを組み合わせる「40 TDI quattro」を追加[22]。12Vマイルドハイブリッドシステムを搭載している。 2022年10月27日、2018年11月27日~2019年5月18日に輸入した車両のアンチロールバーにおいて端部の加工工程が不適切だったため、端部に微小なひび割れが発生し、素材が損耗するものがあるとして、国土交通省にリコールを届け出た[23]。 S7 Sportback(2代目)2019年5月27日、欧州にて発売[24]。パワートレインは新たに3.0LV型6気筒直噴ディーゼルターボ「TDI」エンジンを搭載。最高出力349hp、最大トルク71.4kgmを発揮し、トランスミッションは8速ティプトロニック、駆動方式は4WDのクワトロ。その結果、0-100km/h加速は5.1秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)を発揮する。また、48Vのマイルドハイブリッドを採用し、燃費性能を向上させた。 日本での販売2020年8月25日、2代目となる「S7 Sportback」を同年9月15日より発売すると発表した[25]。最高出力450PS、最大トルク600Nmを発揮する2.9LV型6気筒直噴ターボエンジンに8速ティプトロニック、クワトロを組み合わせる。また、48Vマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載し、低燃費を実現している。
脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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