りゅう座σ星[ 1] Sigma Draconis
画像
仮符号 ・別名
Alsafi[ 1] [ 2]
星座
りゅう座
見かけの等級 (mv )
4.680[ 1] , 4.68-4.75(変光)[ 3]
変光星型
疑わしい[ 3]
位置元期 :J2000.0
赤経 (RA, α)
19h 32m 21.5902990s [ 1]
赤緯 (Dec, δ)
+69° 39′ 40.234737″[ 1]
赤方偏移
0.000089[ 1]
視線速度 (Rv)
26.78 km/s[ 1]
固有運動 (μ)
赤経: 598.07 ミリ秒 /年 [ 1] 赤緯: -1,738.40 ミリ秒/年[ 1]
年周視差 (π)
173.77 ± 0.18ミリ秒[ 1] (誤差0.1%)
距離
18.77 ± 0.02 光年 [ 注 1] (5.755 ± 0.006 パーセク [ 注 1] )
絶対等級 (MV)
5.9[ 注 2]
σ星の位置
物理的性質
半径
0.778 ± 0.008 R ☉ [ 4]
質量
0.87 M ☉ [ 5]
自転 速度
1.5 km/s[ 6]
スペクトル分類
K0 V[ 1]
光度
0.428 ± 0.013 L ☉ [ 4]
表面温度
5,196 K [ 5]
色指数 (B-V)
+0.79[ 7]
色指数 (U-B)
+0.38[ 7]
色指数 (R-I)
+0.41[ 7]
金属量 [Fe/H]
-0.23[ 5]
年齢
約3× 10 9 年[ 8]
他のカタログ での名称
りゅう座61番星[ 1] ,BD +69 1053,Gaia DR2 2261614264930275072,GJ 764,HD 185144,HR 7462,HIP 96100[ 1] ,SAO 18396[ 1]
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りゅう座σ星 (りゅうざシグマせい、σ Dra / σ Draconis)は、りゅう座 の恒星 である。
物理的性質
この恒星はオレンジ色の主系列星 (矮星)で、スペクトル型 はK0、長くK0型主系列星の分光標準星としてもちいられてきた。直径は光学干渉計CHARAアレイ を用いて直接測定されており、太陽 の77.8%である[ 4] 。視線方向に射影 したこの恒星の自転速度 (
v
sin
i
{\displaystyle v\sin i}
) は1.5km/sで、相対的に低い。太陽に比べてやや金属量 (ヘリウムよりも重い元素の量)が低い恒星と考えられている[ 9] 。
この恒星の表面温度と光度、表面活動の変化は、全体の周期こそまだ決定できていないが、太陽活動周期 に非常に似ているものと見られる[ 6] 。この恒星の全体的な変動は、ヒッパルコス衛星 によって観測された恒星の中では最も低いものである[ 9] 。
この恒星の固有運動 はとても大きく、1年で1.8秒角 程度天球 上を移動する。46,725年前に太陽系 に最接近し、その時の距離は16.55光年 だった。空間速度は、U = +36(銀河中心方向)、V = +40(銀河自転方向)、W = -10 km/s(銀河の北極方向)である。この数値から、この恒星が銀河系 内を周回する軌道の離心率 は、0.30と例外的に大きいことがわかる(太陽は0.06)。銀河中心からの平均距離は、およそ34,000光年(10.3 kpc )である[ 9] 。
2013年時点では、木星 規模の惑星は検知されておらず、恒星を取り巻く物質(たとえば星周円盤 )の存在を示す赤外線 放射の卓越も観測されていない[ 10] 。W・M・ケック天文台 の高分散分光装置や、リック天文台 の自動惑星検出望遠鏡 による観測から、300日あまりの周期で視線速度 が変化することが発見され、天王星 規模の惑星の存在が示唆されているが、惑星以外の原因による変動の可能性が排除できず、惑星発見の報告にはいたっていない。
名称
固有名の Alsafi は、アラビア語 で「(遊牧民の野外調理用の)三脚」の呼び名のことを指す Athāfiyy が誤記されたものと考えられている[ 11] 。2017年6月30日、国際天文学連合 の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Alsafi をりゅう座σ星の固有名として正式に承認した[ 2] 。
中国 の星座(星官 )では天厨 にあたり、σ星自体は星官の第二位で天厨二とされる。
作品
脚注
注釈
^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
出典
^ a b c d e f g h i j k l m n “Results for sig Dra ”. SIMBAD Astronomical Database . 2017年7月30日 閲覧。
^ a b “IAU Catalog of Star Names ”. 国際天文学連合 . 2017年7月30日 閲覧。
^ a b “Result for NSV 12176 ”. Combined General Catalogue of Variable Stars . 2017年7月30日 閲覧。
^ a b c Boyajian, Tabetha S. et al. (2008). “Angular Diameters of the G Subdwarf μ Cassiopeiae A and the K Dwarfs σ Draconis and HR 511 from Interferometric Measurements with the CHARA Array”. The Astrophysical Journal 683 (1): 424-432. arXiv :0804.2719v2 . Bibcode : 2008ApJ...683..424B . doi :10.1086/589554 . ISSN 0004-637X .
^ a b c Hearnshaw, J.B. (1974). “Carbon and iron abundances for twenty F and G type stars”. Astronomy and Astrophysics 36 : 191-199. Bibcode : 1974A&A....36..191H .
^ a b Gray, David F. et al. (1992). “The activity cycle of Sigma Draconis”. The Astrophysical Journal 400 : 681. Bibcode : 1992ApJ...400..681G . doi :10.1086/172030 . ISSN 0004-637X .
^ a b c Hoffleit, D.; Warren, W. H., Jr. (1995-11). “Bright Star Catalogue, 5th Revised Ed.” . VizieR On-line Data Catalog: V/50 . Bibcode : 1995yCat.5050....0H . https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ5a76628e9487&-out.add=.&-source=V/50/catalog&recno=7462 .
^ Jim Kaler. “Alsafi ”. STARS . 2017年7月30日 閲覧。
^ a b c Porto de Mello, Gustavo et al. (2006). “Astrobiologically Interesting Stars Within 10 Parsecs of the Sun”. Astrobiology 6 (2): 308-331. arXiv :astro-ph/0511180 . Bibcode : 2005astro.ph.11180P . doi :10.1089/ast.2006.6.308 . ISSN 1531-1074 .
^ Holmes, E. K. et al. (2003). “A Survey of Nearby Main-Sequence Stars for Submillimeter Emission”. The Astronomical Journal 125 (6): 3334-3343. Bibcode : 2003AJ....125.3334H . doi :10.1086/375202 . ISSN 0004-6256 .
^ Richard Hinckley Allen . “Draco, the Dragon ”. Star Names - Their Lore and Meaning . 2017年7月30日 閲覧。
外部リンク