よどみ点

よどみ点(よどみてん、: stagnation point)とは、流体力学において、流れ場の中で速度がゼロになる点のことである[1][2]岐点(きてん)とも呼ばれる[3]

物体の周りの完全流体外部流れ英語版を考える。流れの中に物体を置くと、物体の前方および後方の表面に流速が 0 になる点ができる。これがよどみ点である。

よどみ点では、複数の流線が交わることがある。通常流線が交わることはないが、よどみ点は例外である。

速度がゼロで、かつ温度や密度の勾配がなく、流体が平衡状態にあることをよどみ点状態という[4]。よどみ点状態における圧力をよどみ点圧力英語版(または総圧、全圧)、温度をよどみ点温度英語版(または全温度)、エンタルピーをよどみ点エンタルピー英語版と呼ぶ。

参考文献

  1. ^ 今井功『流体力学(前編)』(24版)裳華房、1997年、52頁。ISBN 4-7853-2314-0 
  2. ^ 巽友正『新物理学シリーズ21 流体力学』培風館、1982年。ISBN 4-563-02421-X 
  3. ^ 前田弘『翼のはなし』養賢堂、2000年、7頁。ISBN 4-8425-0056-5 
  4. ^ 松尾一泰『圧縮性流体力学』理工学社、1994年、60頁。ISBN 4-8445-2145-4 

関連項目