ふたご座τ星τ Geminorum
星座
ふたご座
見かけの等級 (mv )
4.41[ 1]
位置元期 :J2000.0
赤経 (RA, α)
07h 11m 08.3704210s [ 2]
赤緯 (Dec, δ)
+30° 14′ 42.583108″[ 2]
視線速度 (Rv)
21.27 km/s[ 2]
固有運動 (μ)
赤経: -31.21 ミリ秒 /年 [ 2] 赤緯: -48.92 ミリ秒/年[ 2]
年周視差 (π)
10.16 ± 0.25ミリ秒[ 2] (誤差2.5%)
距離
321 ± 8 光年 [ 注 1] (98 ± 2 パーセク [ 注 1] )
絶対等級 (MV)
-0.56[ 3]
ふたご座τ星の位置(丸印)
物理的性質
半径
26.8 ± 0.7 R ☉ [ 3]
質量
2.3 ± 0.3 M ☉ [ 3]
表面重力
0.09 G[ 3] [ 注 2]
自転 速度
3.03 km/s[ 4]
スペクトル分類
K2 III[ 1] + K0 V[ 3]
光度
240 L ☉ [ 注 3]
表面温度
4,388 ± 25 K [ 3]
色指数 (B-V)
1.261[ 1]
色指数 (V-I)
1.25[ 1]
金属量 [Fe/H]
0.14[ 4]
年齢
1.22 ± 0.76 × 10 9 年[ 3]
他のカタログ での名称
ふたご座46番星, BD +30 1439, HD 54719, HIP 34693, HR 2697, IRC +30178, NSV 3437, SAO 59858[ 2]
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ふたご座τ星 (ふたござタウせい、τ Geminorum、τ Gem)は、ふたご座 の恒星 である。見かけの等級 は4.41と、肉眼 でみえる明るさである[ 1] 。年周視差 から推定した太陽系 からの距離は、約321光年 である[ 2] 。
特徴
ふたご座τ星は、進化が進んだ橙色巨星 で、スペクトル型 はK2 IIIと分類される[ 1] 。質量 は太陽 の2.3倍、半径 は太陽 の27倍と推定される。表面温度 は4,388K と見積もられ、これは橙色に輝くK型星の特徴に合致する[ 3] [ 5] 。光度 は太陽 の240倍程度と計算される[ 注 3] 。
1958年に、ゾネベルク天文台 (英語版 ) の天文学者 ゲルハルト・ヤキシュが0.05等 程度の変光を指摘したが、その後確認されず、変光星総合カタログ では新しい変光星 候補止まりとなっている[ 6] 。
星系
ふたご座τ星は、重星カタログではAからCの3つの恒星からなる三重星 として収録される。ふたご座τ星B 、ふたご座τ星C はいずれもシャーバーン・バーナム が発見した。元々ふたご座τ星として知られていた4等星はふたご座τ星Aで、ふたご座τ星Bはふたご座τ星Aから南東へ1.8秒 離れた位置にある11等星、ふたご座τ星Cはふたご座τ星Aの北1分 程度の位置にある13等星である[ 7] 。ふたご座τ星Cは、ふたご座τ星Aとは見かけだけの関係と考えられるが、ふたご座τ星Aとふたご座τ星Bは、固有運動 が共通する連星 であるという意見と、連星ではなさそうだという意見と両方がある[ 3] [ 8] 。ふたご座τ星Bは、ふたご座τ星Aと連星、つまり太陽 からほぼ同距離であるとすれば、スペクトル型がK0 VのK型矮星 であると予想され、連星間距離は187au に相当する[ 3] 。
ふたご座τ星 (A) は、視線速度 の測定から、亜恒星天体 が周りを公転 していることがわかっている。2000年6月に観測が始まり、数年後にはこの伴天体の存在が示唆され、2013年に軌道要素 と伴天体の質量が精度良く制限できるに至り、この天体が褐色矮星 ふたご座τ星b と確定した[ 9] [ 3] 。ふたご座τ星bは、質量が木星 の20.6倍以上、公転周期 が305.5日 で、離心率 は0.031と公転軌道はほぼ円形 である[ 3] 。
名称
中国 では、ふたご座τ星は五諸侯 (拼音 : Wu Zhū Hóu )という星官 を、ふたご座θ星 、ふたご座ι星 、ふたご座υ星 (英語版 ) 、ふたご座φ星 (英語版 ) と共に形成する。ふたご座τ星自身は、五諸侯二 (拼音 : Wu Zhū Hóu èr )つまり五諸侯の2番星と呼ばれる[ 10] 。
脚注
注釈
^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
^ 出典での表記は、
log
g
[
cgs
]
=
1.96
{\displaystyle \log g[{\mbox{cgs}}]=1.96}
^ a b シュテファン=ボルツマンの法則 により計算。
出典
^ a b c d e f ESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission , ESA SP Series, 1200 , Noordwijk, Netherlands : ESA Publications Division, Bibcode : 1997ESASP1200.....E , ISBN 9290923997
^ a b c d e f g h “tau Gem -- Double or multiple star ”. SIMBAD . CDS . 2020年6月18日 閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m Mitchell, David S.; et al. (2013-07), “Precise radial velocities of giant stars. V. A brown dwarf and a planet orbiting the K giant stars τ Geminorum and 91 Aquarii”, Astronomy & Astrophysics 555 : A87, Bibcode : 2013A&A...555A..87M , doi :10.1051/0004-6361/201321714
^ a b Hekker, S.; Meléndez, J. (2007-12), “Precise radial velocities of giant stars. III. Spectroscopic stellar parameters”, Astronomy & Astrophysics 475 (3): 1003-1009, Bibcode : 2007A&A...475.1003H , doi :10.1051/0004-6361:20078233
^ “The Colour of Stars ”. Australia Telescope National Facility . Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation . 2020年6月25日 閲覧。
^ Samus, N. N.; et al. (2009-01), “General Catalogue of Variable Stars ”, VizieR On-line Data Catalog: B/gcvs , Bibcode : 2009yCat....102025S
^ Mason, Brian D.; et al. (2019-10), “The Washington Visual Double Star Catalog ”, VizieR On-line Data Catalog: B/wds , Bibcode : 2019yCat....102026M
^ Roell, T.; et al. (2012-06), “Extrasolar planets in stellar multiple systems”, Astronomy & Astrophysics 542 : A92, Bibcode : 2012A&A...542A..92R , doi :10.1051/0004-6361/201118051
^ Mitchell, D. S.; et al. (2003-12), “Four Substellar Companions Found Around K Giant Stars”, Bulletin of the American Astronomical Society 35 : 1234, Bibcode : 2003AAS...203.1703M
^ “中國古代的星象系統 (77): 井宿天區 ” (中国語). AEEA 天文教育資訊網 . 國立自然科學博物館 (2006年7月16日). 2020年6月26日 閲覧。
関連項目
外部リンク
座標 : 07h 11m 08.3704210s , +30° 14′ 42.583108″