きらめき☆プロジェクト
『きらめき☆プロジェクト』は、スタジオ・ファンタジアに制作され、バンダイビジュアルから2005年に発売された日本のOVA作品。全5巻。 地中海にある小国を舞台に、3DCGで描かれた[1] ドールのような[2] 美少女型巨大ロボットと、1960年代的なレトロ調のロボット[2] の戦いが描かれる。美少女やロボットといった点が目立つが、裏のテーマとして「オヤジ」という点があり[1]、サラリーマンの職人気質なひたむきさや[1]、長期出張による辛い家庭事情[3] が描かれている。作品としては、細かい設定などを気にせずに楽しめるものであることが目指されている[4]。 ストーリー日本企業のジャパン・スーパー・ゼネラル・インダストリー社は、自社の技術力を世に広めるため、巨大ロボット「ビッグマイティ」による各国のロボットの撃破と技術収集を行っていた。ビッグマイティの操縦者でもある製作チームは、高度な技術力を持つ小国「ジュネス王国」を次の目標とする。ジュネス王国には、他人に心を開かない少女カナ製作の巨大ロボット「ファンシーロボ」が存在した。ビッグマイティの襲来に対し、カナの姉クローネはファンシーロボの出撃をカナに要請する。カナはファンシーロボが傷つくことを嫌って要請を拒否するが、ビッグマイティに捕まった妹ネネを助けるため了承する。出撃したファンシーロボはビッグマイティを返り討ちにする。 戦いの後、ファンシーロボは同じくカナ製作のロボット「リンクル」によって「ジュネりん」と名付けられる。一方、ビッグマイティ製作チームの上司・島田耕作は、社の重役たちにビッグマイティの敗北を見せ付けてしまったことで怒り、製作チームに再出撃を追加予算なしで命令する。予算のほとんどない中で製作チームはビッグマイティを修復、再出撃するが、再度ジュネりんに敗北する。チームのリーダーである大矢仁はビッグマイティの新たな武装を使うことでジュネりんの足止めをし、チームメンバーを逃がす。大矢はカナに助けられ、2人はロボットに関する話題を語り合う。 度重なるビッグマイティの失敗に業を煮やした島田は、自ら巨大ロボット「ザ・パーフェクト」で出撃する。ザ・パーフェクトの攻撃によりジュネりんは破壊されそうになるが、ザ・パーフェクトは出力を上げ過ぎたことから爆発寸前になる。そこに現れたビッグマイティがザ・パーフェクトを抱え込み上昇し、ともに爆発するが、後にカナの携帯電話に大矢から脱出を知らせるメールが届く。カナとジュネりんは無事に帰還し、国民たちから歓声を受ける。 登場キャラクター
登場メカ
製作
アニメ『ストラトス・フォー』の特典映像製作時、「オヤジたちがすべてを犠牲にして何かを作っていく」様を『プロジェクトX』のように作ってはどうか、という話から『プロジェクトZ』という企画が始まる[7]。また、プロデューサーの飯塚智久がバンダイビジュアルの杉山潔に、西島克彦を監督として「おバカ」な作品を作りたいと声をかけられたことも企画のきっかけとなっている[6]。前述の特典映像に登場する3Dロボット「MSビーナス」が内輪で受けたことから3Dのロボット物を製作することとなり、スタジオ・ファンタジアとしては女の子が主役でなければ、などの考えから企画書が纏められる[7]。タイトルを変えたいという監督の希望を受け、脚本家山口宏の提案により『きらめき』というタイトルとなる[7]。 スタジオ・ファンタジアの過去作である『AIKa』や『ナジカ電撃作戦』とは異なる雰囲気の作品であることから、飯塚が色々とアンテナを張っていたところ、山口宏が見つかり、構成・脚本を任せられる[6]。そして、その仲介をおこなったもりたけしがスーパーバイザーとしてそのまま起用される[6]。キャラクターデザインは、『君が望む永遠』からスタジオ・ファンタジアに復帰していた菊地洋子が起用された[6]。 企画当初の主役はオヤジたちであり、ビッグマイティのデザインを固めてからキャラクターの設定やストーリーを作っていったが、後に主役の3人娘VS父親たちという形に変更[18]。家族に虐げられてきたオヤジたちが巨大ロボットで娘に挑むという父親復権をテーマとしたような内容となる[18]。その後主役ロボットが人形になったことで娘とオヤジの関係に距離が置かれ、設定が作り込まれていった[18]。もりが関わったことで「オヤジ濃度」が高くなっていったため、それを引き戻していったのが最終的な形となる[26]。もりはオヤジたちの熱い部分や悲哀のアイデアを多数考えたというが、あまりオヤジを全面に出すと作品として成立しなくなるため、このアイデアは本編には3分の1程度しか残っていないという[26]。 主題歌
各巻リスト
評価『アニメージュ』掲載のクロスレビューでは、第1話に対しては5人のレビュアーがそれぞれ4,2,4,3,4点を付け、平均得点は3点となった(5点満点)。総評では、厳しい意見もあるものの、レビュアーごとに見どころの異なる多様な魅力を持つ作品と評された[28]。第3話に対しては4,2,3,3,5点が付けられ、平均得点は3点となった。総評ではオヤジたちに人気が集まったが、視点が散漫なことに苦言があるとされた[29]。第5話に対しては4人が5点、1人が1点を付け、平均得点は4点となった。1点を付けたレビュアーは伏線のない行き当たりばったりな敵味方の交流など、他人に見せるという視点のない内輪向けの作品と断じたが、他の4人は島田役の立木文彦の演技、ザ・パーフェクトに挑むボロボロのビッグマイティというシチュエーションの熱さ、オヤジたちの格好良さなどに好意的な評価を与えている[30]。 『愛と戦いのロボット 完全保存版』では、『ARIEL』や『トップをねらえ!』といった作品により「ロボットのパイロット=美少女」という図式がアニメファン間に定着し、現在(2006年)の美少女ロボットものの全盛時代を迎える、という旨の前置きをした上で、『きらめき☆プロジェクト』をそのような現代美少女ロボットものの代表として挙げ、精密なCGで描かれたロボットの戦闘シーンやギャグ、3姉妹の魅力を評価している[31]。 Anime News Networkでは、第3話までについて、おバカな楽しさや3Dロボットのアニメーションを評価しているが、パロディとドラマのバランスが不確かであることや、英語の吹き替えがないことを不満としている[32]。第4話以降は、吹き替えがないことを変わらず不満としているが、ロボットのアニメーションは引き続き高評価し、コメディとドラマがよく混ざっているとしている[33]。
日本におけるDVDの売り上げは、オリコンチャートでは第2巻限定版が287位[34]、第3巻限定版が210位[35] となっている。 関連商品
脚注
外部リンク
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