うき世『うき世』(うきよ)は、柳川春葉の家庭小説であり、それを原作とした日本映画の題名である。1915年(大正4年)から翌1916年(大正5年)4月にかけて大阪毎日新聞に連載、順次、至誠堂書店「大正名著文庫」から単行本化、1916年3月には日活向島撮影所が映画化している。 略歴・概要1912年(明治45年)、大阪毎日新聞、東京日日新聞(いずれも現在の毎日新聞)に連載、好評を博した『生さぬ仲』の流れを汲む家庭小説として大阪毎日新聞で連載された。柳川は1918年(大正7年)1月に死去しており、没後に刊行された全集以降、同作は出版された形跡がみられない[1]。映画化も1度きりである。 新派の劇団「成美団」が、1923年(大正12年)5月、京都座で上演、連日にぎわったことが記録に残っている[2]。出演は都築文男、小織桂一郎、河原市松、武村新、高橋義信ら[2]。 日活向島撮影所が映画化した作品の上映用プリントは、いくつかのシーンを欠いた51分の不完全版であるが、早稲田大学が所蔵しており、2012年(平成24年)には、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館で行われた『日活向島と新派映画の時代展』で上映されている[3]。同撮影所が製作した作品で現存するものは3作しが現存しておらず、本作は、夭折したスター俳優立花貞二郎の出演作としては唯一現存する作品である。 ビブリオグラフィ
映画
『うき世』(うきよ)は、1916年(大正5年)製作・公開、日活向島撮影所製作、日活配給による日本のサイレント映画、女性映画である[4][5]。監督・脚本等は不明である。同作の上映用プリントは現存し、早稲田大学が所蔵している[3]。当時の同撮影所では、女性の登場人物も女形俳優が演じており、現存する数少ない女形出演映画のひとつである。 スタッフ・作品データ
キャスト脚注参考文献
関連項目外部リンク
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