いすゞ・ユニキャブ
ユニキャブ(UNICAB)は、1967年(昭和42年)から1974年(昭和49年)までいすゞ自動車より発売された小型貨物自動車である。 概要1966年(昭和41年)の東京モーターショーに出品され、翌1967年7月13日に発売された。車両本体価格は49万5,000円であった。 ジープの雰囲気を取り入れたFR車であり、前後サスペンションは同社の小型トラック「ワスプ」から、エンジンは同社の乗用車「ベレット」用の1.3 L G130型からの流用であった。後期型では、ベレットおよびフローリアンと共通の1.5 / 1.6Lエンジンへと変更された。型式は前期型がKR80型、後期型の1.5LモデルがKR85型、1.6LモデルがKR86型となる。 当初の定員は4名で、KR85型から前席2名、後席3名ずつの向かい合わせのシートを持つ8人乗りが追加された。2名乗車の場合の最大積載量は400kgである。 当初はフロントウィンドシールドを前に倒すことで、完全なオープンカーとなったが、その後の保安基準改正により許可されなくなった。 一見ジープ風ではあるが四輪駆動ではなく、レジャーユースや、若者向けの都会的でファッショナブルなマルチパーパスカー(現代におけるクロスオーバーSUVに近い)というのがコンセプトであった。同様のコンセプトは後年のミューや、フランス車のシトロエン・メアリやマトラ・シムカ・ランチョにもみられる。 しかし、当時の日本国内市場においてこのコンセプトは時期尚早で、見栄えの面からも消費者の共感を得ることはできず、その販売台数は非常に少ないものであった。いすゞにおける本来の多目的4WD車は、1978年(昭和53年)発表のファスターロデオ4WDと、1981年(昭和56年)発表のロデオビッグホーンの登場を待つこととなる。 関連項目外部リンク
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