スヘルトーヘンボス ('s-Hertogenbosch ; [ˌsɛrtoːɣə(m)ˈbɔs] ( 音声ファイル ) )またはデン・ボス (Den Bosch ; [dɛm ˈbɔs] ( 音声ファイル ) デンボスとも記述される)は、オランダ 南部に位置する都市 または広域行政区。北ブラバント州 の州都。
ブラバント公 アンリ1世 の猟場であったことから、's-Hertogenbosch「公爵の森」と名付けられた。ただし、現代のオランダ語 の日常会話では Den Bosch の方がよく使われる。
同広域行政区には、近隣の市町村 Bokhoven、Deuteren、Dieskant、Empel、Engelen、Gewande、Hintham、Kruisstraat、Maliskamp、Meerwijk、Orthen、Oud-Empel、ロスマーレン も含まれる。
歴史
1185年 、ブラバント公 アンリ1世 により自治を定める勅許状が発布された。ホラント伯 、ゲルデルン伯からの侵攻を防ぐため、周囲に石塀を築いた要塞都市として知られており、中世には交易都市(特に羊毛)、芸術都市として繁栄した。
宗教改革 以降、カトリック教会 の教区 となったスヘルトーヘンボスは、八十年戦争 にも抵抗を続けたが、1629年 にオラニエ公フレデリック・ヘンドリック の軍門に降り、自治権の無いネーデルラント連邦共和国 の占領区として扱われた。
1792年 、フランス革命 軍の侵攻によりフランス帝国 の支配下に置かれた後、1815年 にネーデルラント連合王国 が成立すると、スヘルトーヘンボスは北ブラバント州 の州都として定められた。
観光地・観光施設
シント・ヤン教会
スポーツ
教育機関
カーニバル
カーニバルの様子
スヘルトーヘンボスで行われているカーニバル がオランダ最古(記録に残る限りで1385年 )のものである。
カーニバル期間中、スヘルトーヘンボスは架空の国ウテルドンク("Oeteldonk ": 湿地のカエル)と呼ばれ、ウテルドンク国プリンス、アマデイロ25世(2006年-)の統治下に置かれる。農夫が主役であり、他の地域のカーニバルに比べ華美な服装は少ないが、街はウテルドンク国のシンボルカラー(赤、白、黄色)で飾り付けられ、カーニバルを祝う音楽が鳴り止まない。
ウテルドンク
ウテルドンク(蘭 : Oeteldonk )の名前は、スヘルトーヘンボスの街を囲む湿地帯 (donk) と、その湿地帯に住むカエル (oetel) に由来すると言われている。
歴史
農夫ニリスとヘンドリーンの像
スヘルトーヘンボスでのカーニバルが、オランダ最古のものである。記録に残る限りでは、1385年には既にカーニバルの行事が行われており、15世紀、スヘルトーヘンボス出身の宗教画家ヒエロニムス・ボス もカーニバルを題材にした作品を残している。当時のカーニバルは、四旬節 の断食を前に踊りと歌で祝う3日間の食事会であった。
カトリック 教区 であったスヘルトーヘンボスは、1629年にフレデリック・ヘンドリック の軍門に降り、以降カトリックの信仰が禁じられ、カーニバルの実施も禁止された(しかし、市民は秘密裏にカーニバルを祝っていたようである)。
1792年、フランス革命 軍の侵攻によって、再びカトリック信仰を取り戻したスヘルトーヘンボスでは、カーニバルの行事が復活した。四旬節を前にした食事会に加え、リエージュ から出稼ぎに来ていたガラス職人たちによって、彼らの伝統であった「ストリート・カーニバル」が行われるようになった。
労働者階級を中心にカーニバルは徐々に過激かつ暴力的なものになっていったため、ブルジョワジー らがカーニバルの実施に反対するようになったが、カーニバルを収入源とする民間企業の抵抗が強く、カーニバルが中止されることはなかった。しかし1881年、スヘルトーヘンボスの司教 Monsignor A. Godschalk が、カーニバルの中止をスヘルトーヘンボス市民に求めた。
暴力的なカーニバルに反対する市民グループは1軒のカフェ「Roijaal」に集まり、楽しめるカーニバルを目指し、「カーニバル期間中は、スヘルトーヘンボスの街を、架空の街ウテルドンクとすること」「ウテルドンクの街の住人はすべて、農夫か田舎娘となること」「ウテルドンクの街には(冗談の)市長が必要」という約束ごとを決定する。
1882年、最初の市長としてPeer van den Mugheuvelが任命され、ウテルドンクの伝統を守るため、De Oeteldonksche Clubが結成される。同クラブは、現在までスヘルトーヘンボスでのカーニバルを企画・統率する団体である。
1883年より、ウテルドンク市長に加え、ウテルドンク国のプリンス、アマデイロ氏(H.R.H. Prince Amadeiro Ricosto di Carnavallo, Reksamの騎士、ウテルドンクの君主、湿地帯と砂漠の支配者、……〈称号はまだまだ続く〉)と、架空の行政長官たちが任命されるようになる。
シンボル
ウテルドンクのシンボルには、以下のものがある。
ウテルドンク国旗
三色旗:ウテルドンクの国旗。赤、白、黄で構成されている。
農夫ニリスの像:カーニバル期間中、街の中心地Marktに立てられる。うるう年には、ヘンドリーンの像が隣に立てられる。
カエル:湿地帯のマスコット。
外部リンク
スヘルトーヘンボスのイベント
スヘルトーヘンボスの名物
ボッシェ・ボル(Bossche bol ): スヘルトーヘンボスにて12世紀からつくられている、チョコレートでコーティングされたシュークリーム。中身は生クリーム。
スヘルトーヘンボス出身・由来の人物
脚注
注釈
出典
外部リンク