U-571
『U-571』(ユーごーなないち)は、2000年のアメリカ合衆国の戦争映画。監督はジョナサン・モストウ、出演はマシュー・マコノヒー、ビル・パクストン、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ボン・ジョヴィなど。 第二次世界大戦中、暗号解読機を奪取するためにドイツ海軍のUボートへ潜入した米海軍兵たちの敵地脱出作戦を描いている[3]。第73回アカデミー賞で2部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞している。 ストーリー1942年北大西洋。1隻のドイツ潜水艦Uボート571号がイギリスの駆逐艦に攻撃され漂流、救難信号を発信する。 それを傍受したアメリカ海軍は潜水艦S-33をUボートに偽装、救援を装ってU571号を乗っ取り、ドイツ軍の最新暗号機(エニグマ)を奪取する作戦に出る。 しかし作戦実行中、救難信号を受けロリアンのUボート・ブンカーからU571号の救援に駆けつけた本物のUボートによってS-33が撃沈され乗組員のほとんどを失ってしまう。 敵潜水艦に取り残された副長ら数人は、扱いなれないUボート571号を駆使して、帰還しようとドイツ軍に立ち向かう。 キャスト
日本版イメージソング
U-571についてこの映画に登場するUボートのモデルとなった艦である「U-571」(de:U 571)は、1941年5月22日、ヘルムート・メールマン(en:Helmut Möhlmann)大尉を艦長として就役。同年8月に初哨戒に出る。北大西洋の2回の哨戒では成果は無かったが、3回目の哨戒でアメリカ東海岸に派遣され、英国船「ハートフォード」、ノルウェーのタンカー「コル」、米国の小型船「マーガレット」を撃沈。1942年5月7日に帰投している。その後は、メキシコ湾を哨戒し、イギリス船「ユマタ」を撃沈、アメリカ船「J.A.モファートジュニア」、「ペンシルベニア・サン」を大破させ、無事帰投。以後また北大西洋に派遣された。 1942年12月、6回めの哨戒ではトーチ作戦における連合軍の補給路を断つため、アゾレス諸島南西へ向かい、7度目は、北大西洋にてノルウェー船「インゲルフィア」を撃沈した。西アフリカ沖での8度目の哨戒の後、艦長が、メールマン大尉からグスタフ・リュッソウ(Gustav Lüssow)中尉に交代。しかし、1944年1月28日、アイルランド沿岸に派遣された際、豪州空軍の第461飛行中隊による攻撃で撃沈された。 余談ではあるが、「571」の艦番号は、第二次世界大戦後にアメリカ海軍が就役させた世界初の原子力潜水艦「USS ノーチラス (SSN-571)」と同じである。 映画の基となった出来事連合軍が、エニグマを奪取するためにUボートを捕獲し、艦内に突入したという出来事は、実際の戦史に存在する。ただし、映画のようにアメリカ海軍の潜水艦をUボートに偽装して、海兵隊員に率いられた潜水艦乗員がドイツ兵に扮し、武装してUボートに乗り込むということは無かった。本作品のエンドロールの最初に触れられているが、以下のような事例があった。
映画は、U-110とU-559の事例を基に製作されたと思われるが、いずれも作戦を実行したのは米軍では無く、英軍である。 作品の評価Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「素晴らしい撮影技術と興味深いプロット、そして才能のあるキャストとスタッフによって『U-571』は緊張感のあるスリラーに仕上がっている。」であり、115件の評論のうち高評価は68%にあたる78件で、平均点は10点満点中6.29点となっている[6]。 Metacriticによれば、35件の評論のうち、高評価は22件、賛否混在は11件、低評価は2件で、平均点は100点満点中62点となっている[7]。 脚注注釈
出典
参考文献
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