P は、ラテン文字 (アルファベット )の 16 番目の文字。小文字は p 。ギリシャ文字 のΠ (パイ)に由来し、キリル文字 のП に相当する。
ギリシャ文字のΡ (ロー)、キリル文字のР は別字であり、どちらもラテン文字のR に相当する文字である。
また、アイスランド語 におけるÞ (小文字 :þ )も別字であり、これは英語 に於ける"th"(ただし、無声子音 の方)に相当する。
字形
筆記体
ジュッターリーン体
大文字は、縦棒の上部右に右半円を付けた形である。
小文字はミーンライン より下に書かれるが、ベースライン を越えて下に突き出す。このため、実質的な大きさは大文字と同等である。半円は円で書かれることが多く、棒は接線となる。筆記体では縦棒を先に書き、折り返して丸を時計回りに書く。このため、棒の上部に前の字からの接続線が、円の下部に次の字への接続線が付く。このとき、丸の下部を棒まで戻さず、丸の下が空いたままにすることがある。
数式などで大文字のPを筆記する際は、棒の下にセリフ を付けることで小文字と区別している。
亀甲文字 では、
P
p
{\displaystyle {\mathfrak {P\ p}}}
となる。
呼称
音素
この文字が表す音素は、/p/ ないしその類似音である。
フランス語では語末のpを黙字とする。次の単語が母音で始まれば、このpを発音する。
歴史
ギリシア文字・Π (パイ)の右足を曲げた形に由来する。この結果、現在のラテン文字のRに相当するΡと同形になってしまったため、そちらの文字には中央から右下にヒゲを付け加えて区別するようになった。
P の意味
リン の元素記号。
アミノ酸の1つプロリン の1文字略号。
音楽記号のピアノ (p iano)(弱;フォルテ<f orte>の反対)。
P (計算複雑性理論) - 計算複雑性理論 において、決定性チューリングマシン が多項式時間 で解くことのできる決定問題 のクラス。P≠NP予想 など。
文献のページ (p age) を示す。
電気的接点/極を表す(スイッチの DP DT など、コネクタの 36P など)
プルスイッチ 。構内電気設備配線用図記号 (JIS C 0303:2000) で用いられる。スイッチの図記号に傍記。
片、Piece
SI接頭語
ペタ (1015 )(大文字)
ピコ (10−12 )(小文字)
CGS単位系における粘度 の単位ポアズ
1g重を表すドイツの単位「ポント」(pond)
二十五 を意味する数字。三十六進法 など、二十六進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過 ) において二十五(十進法 の25 )を一桁で表すために用いられる。ただし、アルファベットの I と数字の 1 、およびアルファベットの O と数字の 0 が混同し易いために、アルファベットの I と O を用いないことがあり、この場合、J が十八 、K が十九 、…、N が二十二 、P が二十三 を意味する。
物理学 で陽子 (小文字)または運動量 を表す(大小)。
光学 で部分偏極状態 の光 の偏極度 (degree of polarization) を表す。通常大文字で記す。
化学 でパラ (para) 位をp-で表す。
主に化学 で、水素イオン指数 や酸解離定数 などで、負の常用対数 (
−
log
10
{\displaystyle -\log _{10}}
) の略記として使われる。
圧力 (p ressure) を表す。
数学 で筆記体で用いて(あるいは p.v. として)積分 がコーシーの主値 (p rincipal value) であることを表す。
数学で点 を示す記号。(p oint) を表す。
素数 を示す記号。(p rime number) を表す。
n Pm は順列 (p ermutation) の総数。
論理学 では命題 (p roposition) や述語 (p redicate) を表す。
LISP でブール値を返す関数 の名前は慣習的に p (p redicate) で終わる。
確率 ではある事象 E が起こる確率 (P robability) を P (E ) と表記する。
per の略に使われ、「/」と書かれたり「毎」と訳されることがある。
例:
符号位置
大文字
Unicode
JIS X 0213
文字参照
小文字
Unicode
JIS X 0213
文字参照
備考
P
U+0050
1-3-48
P
P
p
U+0070
1-3-80
p
p
P
U+FF30
1-3-48
P
P
p
U+FF50
1-3-80
p
p
全角
Ⓟ
U+24C5
‐
Ⓟ
Ⓟ
ⓟ
U+24DF
1-12-41
ⓟ
ⓟ
丸囲み
🄟
U+1F11F
‐
🄟
🄟
⒫
U+24AB
‐
⒫
⒫
括弧付き
𝐏
U+1D40F
‐
𝐏
𝐏
𝐩
U+1D429
‐
𝐩
𝐩
太字
他の表現法
関連項目