現実でラブコメできないとだれが決めた?
『現実でラブコメできないとだれが決めた?』(げんじつでラブコメできないとだれがきめた?、英語: Who decided that I can't do romantic comedy in reality?)は、初鹿野創による日本のライトノベル。略称は「ラブだめ」[1]。ガガガ文庫(小学館)より2020年7月から2022年7月まで刊行された。イラストは椎名くろが担当している。2018年8月から2019年1月まで『カクヨム』にて『現実で”青春ラブコメ”できないなんて誰が決めた?』のタイトルで連載されていた[2][3]。 『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)にて、カタケイによるコミカライズを2021年Vol.7より2022年Vol.10まで連載[4][5][6]。 2022年7月にはオーディオブック版の1巻が[7]、12月には2巻が配信された[8]。 あらすじラブコメのような青春の日々を送りたいと願う主人公・長坂耕平には義理の妹や幼馴染、ミステリアスな先輩がいないどころか男の親友キャラすらおらず、ラブコメとは程遠い現実を過ごしてきた。「ラブコメが不可能だというのなら、自分自身でラブコメが出来るように作り変える」と意気込む耕平はラブコメに必要なデータ分析・反復練習を駆使しながら、共犯者・上野原彩乃と共に自身が目指すラブコメ実現のために奔走していく。 登場人物声の項はオーディオブック版の担当声優。
制作背景2018年8月に小説投稿サイト『カクヨム』にて『現実で”青春ラブコメ”できないなんて誰が決めた?』のタイトルで投稿が開始され[2]、休載や全面改稿を経て[30][31]、2019年1月末まで連載された[32]。その後、「小学館ライトノベル大賞」(第14回 / ガガガ文庫部門)に『ラブコメを絶対させてくれないラブコメ』と従来のタイトルを変更して応募が行われ、2020年3月に同賞にて「優秀賞」を受賞したことにより[33][34]、同年7月にタイトルを再び変更[35]した第1巻が刊行されることとなった[36]。 本作は作者の出身地でもある山梨県が舞台となっており、登場人物の名前も山梨県に存在する地名に由来している[37]。また、本作では同じ「小学館ライトノベル大賞」優秀賞作品繋がりから、許可を得た上で『弱キャラ友崎くん』や『千歳くんはラムネ瓶のなか』の引用が行われている[37]。 第4巻は外伝に近い内容となっているが、位置づけは本編であるため、ナンバリングは「3.5」にされなかった。また、第4巻の表紙イラストはラブコメ作品とはかけ離れた雰囲気となっており、製作側も困惑するほどだったが、清里芽衣を描くためには必須であると判断されて採用に至った[38]。 評価第14回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」受賞[34]。ゲスト審査員を務めた若木民喜は本作を以下のように評している[39]。 自分も得意としてるジャンルですのでやや前のめりで評価してしまうのを許してもらいたいのですが、特に序盤は完璧な始まりでした。狂気とも言える壮大無比な計画を胸にストーリーを始める主人公への期待、その前に現れる女の子たちのかわいさ、全部が魅力的です。「どんなすごいラブコメが始まるんだろう!」とわくわくしました。
それだけに、そこからのストーリーが結構オーソドックスなラブコメが展開されたので、ちょっと「あれ?」と言う気持ちです。序盤を読んで期待した内容とはやや違った気がしました。論理的すぎるというか……。特に前半は長坂くんにもっと面白い事をしてほしかったです。
小説第1巻が「ラノベニュースオンラインアワード2020年7月刊」の投票アンケートで「総合部門」「笑った部門」「新作総合部門」「新作部門」の4部門にそれぞれ選出された[40]。 『このライトノベルがすごい!2021』(宝島社)では総合新作部門10位[41]、文庫部門19位を獲得している[42]。『このライトノベルがすごい!2022』では文庫部門12位を獲得している[43]。『このライトノベルがすごい!2023』では文庫部門11位を獲得している[44]。 『アニメ!アニメ!』が2021年6月に実施した「アニメ化してほしいライトノベル・小説は?(2021年上半期)」と題したアンケートでは20位を獲得している[45]。 既刊一覧小説
漫画
脚注注釈出典
参考文献
外部リンク |