入船 米蔵は落語家の名前。後に橘家米蔵となる。
「十歳の少年で故人柳桜の弟子になり(略)器用で記憶のよいことに至りては師匠も驚いた(略)真打になれずに居るのはどういう事情のあるものか」「こんな好男子がガンモドキなどという綽名をつけています」「能弁で芸もある割合に噺は陰気で愛嬌がありませんね。当人もモウ少しこの辺に注意して高座を賑やかにやったら来春は真打になれるでしょう」
「よだれの出そうな口元は気になれど、話口どこにか旨い処が有る、踊りは上手なれど気障りで締りが無し、芝居などさせると中々味をやる」